MUKU

COMPANY

MUKU COMPANY LIMITED
107-0062 東京都港区南青山2-2-8 DFビル2F
Tel 03-6447-4070

MESSAGE

あえてここでは取り扱い商材のビルマチークという木材について語ることはしません。弊社はビルマの平和と発展に寄与したいという想いから誕生しました。軍政から民政へと大きく舵を切ったビルマではありますが、未だ少数民族問題に端を発する紛争が絶えません。2013年1月、私が初めて訪れたはビルマ(現ミャンマー)は、首都ネピドーでも、最大都市ヤンゴンでもなく、タイ北部との国境近くにあるカレン族が暮らす小さな集落でした。ここにはカレン民族同盟(KNU)とカレン民族解放軍(KNLA)のベースキャンプがありました。

ミャンマー連邦軍との停戦合意から未だまもない頃でした。そこで目の当たりにしたのは粗末な木造の小屋が建ち並ぶ集落と、明らかにどこかの国から払い下げられたような古い小銃を担いだ少年兵達の姿でした。50年以上続いた内戦の末、学校すら無いその貧しい集落で、まともな教育も受けられず、物心ついた頃から戦うことしか教えられていないであろう彼らを指さし、集落の長が言ったひと言、「平和が彼らから仕事を奪うのだ」という言葉に愕然とさせられました。

そして私がそこで決意したのが「この地に仕事を創る」そして「武器を工具に持ち替えさせる」という二つの目標。それによってもうこの地に無駄な血が流れなくなくなら、一生掛けて取り組むに値する仕事だと強く誓ったのです。2013年4月、東京南青山にMUKUというビルマチークを取り扱う会社を設立しました。それはミャンマー政府とカレン民族同盟(KNU)の和平条約締結のプロセスに則った、KNU初の正式に外国と直接貿易を行う相手として誕生させたのです。単なる施しではなく、その民族や地域が経済活動を通して自立できる環境を創ることこそが、真の和平への道筋であり、その行き先を照らすのが弊社の役割だと思っておりなす。

2015年10月に和平条約が締結締結され、当時KNLAの少年兵だった彼らは平和の訪れとともに、ある者はミャンマー連邦軍の正規軍人として、またある者は弊社が取り扱うチークの加工や運搬を行う作業員として職を得て、家族を養い、今では銃声の消えた集落で平和に暮らしています。しかしそれはビルマ国内に現存する135もある少数民族のひとつに過ぎないのです。

弊社は再び、まだ和平条約が結ばれていない、未だ交戦中の地域にある他の少数民族の元へと向かいます。弊社だけでビルマの平和を実現できるとも、すべての民族問題を解決できるとも思っていません。しかし例え僅かであったしても、このビルマの地に無駄が血を流れなくなるようにしたいという思いからです。

社名のMUKUは漢字の「無垢」からきています。単に扱うビルマチークの素性を現わすだけではなく、このビルマの地に暮らす人々が「心身に汚れがなく、清らかであれ」という想いも含まれています。すべての民族が、争うこと無く穏やかに暮らせることに貢献する、それがMUKUの根幹理念なのです。

MUKU COMPANY LIMITED
代表取締役甲田 和佳